ごろにゃ~の手帳(備忘録)-パーソナルMBA的な

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用などについて書き留めてます。



学習する組織

学習する組織とは、目的を達成する能力を効果的に伸ばし続ける組織であり、 その目的は皆が望む未来の創造である。学習する組織には唯一完全の姿があるわけではない。 むしろ、変化の激しい環境下で、さまざまな衝撃に耐え、復元するしなやかさ(レジリアンス)をもつとともに、 環境の変化に適応し、学習し、自らをデザインして進化し続ける組織である。
私たちは、網の目のように紡がれた”つながり”の中で経済活動を行い、社会を構成し、 日々暮らしている。
複雑で変化の激しい時代には、多様な関係者が真の対話を重ね、 複雑な現実を見つめ未来のビジョンを共有することで、自らを創造し、再生し続ける組織が必要だ。
学習する組織のツールや技法は、暗黙知として伝えられてきた職業人の知恵と技を、 わかりやすく見えるように形式知化して、伝承や改善を容易にすると同時に、 その暗黙知に潜む本質を失わないことの大切さを伝える。
多様性を創造につなげる対話が欠かせない。
「内省的な対話の展開」「志の育成」「複雑性の理解」の能力と実践を、バランスよく伸ばす必要があるのだ。


第1部 いかに私たち自身の行動が私たちの現実を生み出すか・・・・・・
      そして私たちはいかにそれを変えられるか

第1章 「われに支点を与えよ。さらば片手で世界を動かさん」

真に卓越した存在になる組織とは、組織内のあらゆるレベルで、人々の決意や学習する能力を引きだす方法を見つける組織だろう。
システム思考:パターン全体を明らかにして、それを効果的に変える方法を見つけるための概念的な枠組み
自己マスタリー(特別なレベルの熟達):継続的に私たちの個人のビジョンを明確にし、そして、現実を客観的に見ることであり、 エネルギーを集中させること、忍耐力を身につけること、そして、現実を客観的に見ることである。 私たちに本当に大切なことを明確にし、自分の最高の志に仕える人生を生きることである。
メンタル・モデル:私たちがどのように世界を理解し、どのように行動するかに影響を及ぼす、 深く染み込んだ前提、一般概念であり、あるいは想像やイメージである。
共有ビジョン:私たちが創りだそうとする未来の共通像
チーム学習:「ダイアログ(dialogue)で始まる。チームのメンバーが、前提を保留して本当の意味で 「共に考える」能力である。チームが学習できなければ、組織は学習し得ない。
ディシプリン(discipline):実践するために勉強し、習得しなければならい理論と手法の体系である。


第2章 あなたの組織は学習障害を抱えていないか?

「私の仕事は○○だから」
職業は何かと聞かれると、たいていの人は、自分が毎日どういう職務を行なっているかを話すばかりで、 自分の属する事業全体の目的について語らない。 属しているシステムに自分が影響を及ぼすことはほとんどない、あるいはまったくないと思っている人が大半だ。 自分の仕事をして、時間を過ごし、自分のコントロール外の力にはただ対処するだけである。 結果として、自分の責任の範囲は、自分の職務の境界までに限定されると考えがちだ。

「悪いのはあちら」
私たち一人ひとりに、物事がうまくいかないときに、自分以外の誰かや何かのせいにする傾向がある。 「悪いのはあちら」とうのは、ほとんどの場合、物語の一面にすぎない。通常、「あちら」 と「こちら」との境界をまたいだ問題に対して、「こちら」側で活用できるてこ(レバレッジ) を見つけ出すことがほぼ不可能となっているのだ。
先制攻撃の幻想
たいていの場合、積極的に見えても、実は受身なのである。 真の積極策は、私たち自身がどのように自身の問題を引き起こしているかを理解することから生まれる。 それは、私たちの感情の状態からでなく、私たちの考え方から生み出されるものなのだ。

出来事の執着
出来事に焦点を当てていると、「出来事」のレベルでしか物事を考えられない。 私たちが生き残るうえでの最大の脅威は、突然の出来事によってではなく、ゆっくりとして緩やかなプロセスによるものだ。 軍拡競争、環境破壊、公教育制度の衰退、企業のデザイン・製品の品質低下(競合他社の品質に対する相対的な) はどれもゆっくりと緩やかに進行するプロセスである。 私たちが出来事の背景にある長期的な変化のパターンに目を向け、そのパターンの原因を理解することを妨げる。 人々の思考が短期的な出来事の焦点を当てている場合、できてせいぜい、事前に出来事を予測して、 最適な反応をすることぐらいだ。しかし、未来を創造するための学びは起こらない。

ゆでガエルの寓話
企業の失敗に関するシステム研究において、徐々に進行する脅威への不適応が非常に多いことから、 「ゆでカエル」の寓話が生まれた。 生存への脅威を感知する仕組みが、環境の突然の変化には適するが、ゆっくりと徐々に起こる変化には対応していなからだ。 ゆっくり徐々に進行するプロセスを見ることを学ぶには、私たちが猛烈なペースを緩めて、 顕著な変化だけでなく、わずかな変化にも注意を向ける必要がある。

「経験から学ぶ」という妄想
私たちにとって最善の学習は経験を通じた学習なのだが、 多くの場合最も重要な意志決定がもたらす結果を私たちが直接には経験できないのだ。

経営陣の神話
経営陣は日常的な問題に対しては十分に機能するだろう。 だが、きまりが悪かったり、脅威を感じるような複雑な問題に直面すると、「チームの精神」は荒れ果てるようだ。
私たちは、たとえ不確かだとか知らないと思っても、ほかの人にそう察せられることの痛みから自分自身を守ることを学ぶ。 そのプロセスそのものが、私たちを脅かすような、いかなる新たな理解を遮断する。 その結果が、自らを学習から遠ざけることに途方もなく堪能な人たちであふれた経営陣、 アージリスの呼ぶところの「熟練した無能」となるのだ。

学習障害ディシプリン
問題のある組織と同様、問題のある文明の中にいる大部分の人々は、あらゆることが少しおかしいと感じるのだが、 彼らの本能が命じるのは、今までのやり方を疑うのではなく、――ましてや、そのやり方を変える能力を育むことでなく ――そのやり方を今まで以上に強く守ることなのだ。

私たちが現在生きている時代も同じぐらいに危険に満ちて、同じような学習障害が根強く残り、 その末路もまた現存する。学習する組織の五つのディシプリンは、 こういった学習障害への解毒剤の役目を果たすと私は信じている。 だがまず、学習障害をより明確に把握しなければならない。 なぜなら、日常的な出来事の混乱の中で見失われてしまうことが多いからだ。


第3章 システムの呪縛か、私たち自身の考え方の呪縛か?

レバレッジは往々にして新しい考え方によってもたらされる
人間のシステムの場合、人々は潜在的レバレッジをもっているにもかかわらず、 自分自身の意思決定ばかりに着目して、 その決定がほかの人にどのような影響を与えるかを見ないために、 そのレバレッジを行使できない。(ビール・ゲームでのプレーヤーの例にて説明)
構造が挙動に影響を与える
 同じシステムの中に置かれると、どれほど異なっている人たちでも、 同じような結果を生み出す傾向がある。
 真に深遠で際立った洞察は、システムそのものが挙動を引き起こすことに気づくことである。
システム構造(生成的)⇒挙動パターン(対応)⇒出来事(受身)
システム思考――「学習する組織」の要


第4章 システム思考の法則

今日の問題は昨日の「解決策」から生まれる
問題を、単にシステムのある部分から別の部分へと移動させただけの解決策は、 たいてい気づかれずに継続される。なぜなら、じゅうたん商人の場合と違って、 最初の問題を「解決した」人と、新たに問題を引継いだ人が異なるからだ。

強く押せば押すほど、システムが強く押し返してくる
よかれと思って行った介入が、その介入の利点を相殺するような反応をシステムから引き出す現象である。 私たちは誰もが、相殺フィードバックに直面するのはどんな感じか知っている。 押せば押すほど、システムが強く押し返してくる――つまり、物事を改善しようと努力すればするほど、 さらに多くの努力が必要に思えてくるのだ。

挙動は、悪くなる前に良くなる
多くの介入は短期的にはうまくゆくことが多い。この現実がなかったならば、レバレッジの低い介入は、 それほど選ばれることはなかっただろう。
相殺フィードバックには通常、「遅れ」が伴う。短期的な利益と長期的な不利益との間の時間的なずれだ。
複雑な人間システムでは、短期的に物事をよく見せる方法がつねに数多くある。 後になって初めて、 戻ってくる相殺フィードバックに悩まされることになるのだ。

安易な出口はたいてい元の場所への入口に通じる
解決策が見えやすかったり、誰にとっても明らかであったりするならば、おそらくすでに見つかっているだろうからだ。 根本的な問題がそのまま、あるいは悪化しているのに、見慣れた解決策をますます強く推し進めるのは、 非システム的な考え方が示す確かな指標である。 私たちはよくこれを「より大きな金槌を求める」症候群と呼ぶ。

治療が病気よりも手に負えないこともある
安易な、または見慣れた解決策は効果がないだけでなく、ときとして中毒を引き起こし、危険なことさえある。 非システム的な解決策を適用すると、長期的には、まったく気がつかないうちに、 いっそう多くの解決策を打つ必要が高まる。

急がば回れ
生態系から動物、組織まで、ほぼ自然のシステムには、本質的に最適な成長率というものがある。

原因と結果は、時間的にも空間的にも近くにあるわけではない
問題すべての根本には、複雑な人間のシステムの基本的な性質がある。つまり、原因と結果は、 時間的にも空間的にも近くにあるわけではないということだ。 ここで「結果」は、問題があることを示す明らかな症状を意味する。 症状の発生に最も大きな責任がある、根底にあるシステムの相互作用のことであり、 これが認識されれば、持続的な改善を生みだす変化を引き起こす可能性がある。

小さな変化が大きな結果を生みだす可能性がある――が、 最もレバレッジの高いところは往々にして最もわかりにくい
システム思考を「新たな陰気な学問」と呼んだ人もいる。 なぜなら、システム思考では、最も目につきやす解決策は役に立たない――― せいぜい短期的には事態を改善するものの、長期的には悪化させるだけ―――と教えるからだ。 この話しには別の一面がある。システム思考は、小さな、的を絞った行動を正しい場所で行えば、 持続的で大きな改善を生みだすこともあり得ることを示しているのだ。 システム思考家はこの原則を「レバレッジ」と呼ぶ。
難題に取り組むということは、高いレバレッジがある場所、つまり最小限の努力で、 持続的に大きな改善を引き起こすであろう変化を見つけることである場合が多い。
唯一の問題は、レバレッジの高い変化は通常、システム内にいる大部分の参加者にとって非常に見えにくいことである。 そのような変化は、明らかな問題症状と「時間的にも空間的にも近い」ところにあるわけではない。 このことが人生をおもしろくさせているのだ。
根底にある構造を見ることを学ぶのがその第一歩だ。 もう一つは、スナップショットで考えるのではなく、変化のプロセスの点から考えることだ。

ケーキを持っていることもできるし、食べることもできる―――が、今すぐではない
一見ジレンマと思われるものの多くは、静態的思考の副産物である。 これらが融通の利かない「二者択一」であるようにしか思えないのは、 私たちが、ある固定された時点で何が可能かを考えるからだ。 翌月のことを考えるならどちらか一方を選ばなければならないかもしれないが、 真のレバレッジは、長期にわたっていかに両方を改善できるかを見ることにある。

一頭のゾウを半分に分けても、二頭の小さなゾウにはならない
生きているシステムには全体性がある。その性質は、全体によって決まる。組織にも同じことが言える。 もっとも困難な経営上の問題を理解するためには、その問題を生み出しているシステム全体を見る必要がある。

誰も悪くはない
私たちは、自分たちの問題をほかの誰かのせいにしがちである。 解決策は、あなたとあなたの「敵」との関係の中にあるのだ。


第5章 意識の変容

大半の経営状況における真のレバレッジは、種類による複雑性ではなく、ダイナミックな複雑性を理解することにある。 市場の成長と生産能力拡大とのバランスをとることは、ダイナミックな問題だ。 市場での強固な地位を確立するような、収益性の高い価格・製品(またはサービス)の質・設計・入手の しやすさの構成を開発することは、ダイナミックな問題である。 持続可能な方法で質を向上させ、総コストを引き下げ、顧客を満足させることは、ダイナミックな問題である。

行動がどのように互いを強めたり、打ち消したり(バランスをとったり)するかを示す、 「フィードバック」と呼ばれるごく単純な概念を理解することだ。 これが、何度も繰返し生じる「構造」の型を見ることを学ぶ基礎となるのだ。

因果関係の環に目を向ける
現実は環状になっているのに、私たちが目にするのは直線である。 ここに、システム思考家としての私たちの限界の始まりがある。 ダイナミックな複雑性をもった問題や戦略的な選択に直面した場合、 とくに個人やチーム、組織が出来事を超えて、変化を形づくる力を見抜く必要があるときは、環状の言語が重要である。

「フィードバック・プロセス」
相互に与え合う影響の流れ、原因の流れもあるし結果の作用もある。一方的に影響を受けるだけのものは一つもない。

システム思考では、人間の動作主はフィードバック・プロセスの一部であり、 そのプロセスから独立した存在というわかではない。これは、認識の大いなる変容を意味する。

自分たちは自然の一部であって、自然から切り離されていない。

システムによって生み出される問題に対しては全員が責任を共有する。

自己強化型およびバランス型のフィードバックと遅れ――システム思考の基本構成要素

自己強化型フィードバック――いかに小さな変化が大きくなり得るかを見つける

バランス型フィードバック――安定と抵抗の源を見つける

遅れ――やがて・・・・物事は起きる


第6章 「自然」の型――出来事を制御する型を特定する

私たちの気づかない構造が私たちを虜にするのだ。
私たちの行動を取り巻くシステムの構造を見ることを学ぶことは、 今まで見えていなかった力から自分自身を開放し、 最終的にその力を変えたりする能力を身につけるプロセスの第1歩である。

システム思考という歴史の浅い分野から得られる洞察のうち、 最も重要で、最も大きな力を与えてくれる可能性のある洞察の一つは、 特定の型(パターン)の構造が繰り返し、繰り返し起こるということだ。 このような「システム原型」または「一般構造」は、 私たちの個人的、組織的生活にある構造を見ることを学ぶうえでのカギとなる。 システム原型――その数はそれほど多くはない――は、 大半のマネジメントの問題は特異なものではなく、 経験豊かなマネジャーなら直観的に知っているものであることを示している。

自己強化型およびバランス型のフィードバックや遅れが、 システム思考の名詞や動詞のようなものだとすれば、 システム原型は、基本的な文や、何度も繰り返し語られる単純な物語のようなものだ。

システム原型を見れは、マネジメントの問題が抱える複雑の根底にある、 信じられないほどすばらしい単純さが理解できる。
研究者たちによって、およそ12のシステム原型が見つかっている。すべての原型が、 自己強化型プロセス、バランス型プロセス、遅れというシステムの基本要素からできている。

成長の限界
定義:自己強化型(増強型)のプロセスが望ましい結果を生み出すように働いている。 成功の好循環を作り出すが、気づかないうちに、 やがてその成功を減速させる(バランス型プロセスで明示される)副次的な影響も生み出している。
マネジメント原則:成長を無理に加速させない。成長の制約要因を取り除く。
構造:成長や改善の自己強化型(増強型)プロセスがある。 やがてそれがバランス型(平衡型)のプロセスにぶつかり、そのバランス型プロセスが作用して成長を制限する。 これが起こると、改善の度合いが鈍化したり、停止したりすることさえある。
構造の理解とその活用
挙動のパターン
レバレッジを得る方法:各状況でのレバレッジは――自己強化型ループではなく―― バランス型ループの中にある。システムの挙動を変えるためには、制約要因を特定して、 それを変えなければならない。

問題のすり替り
定義:根底にある問題が、注意を引く症状を生みだす。 だが、根底にある問題にあるその問題に人々が対処するのは難しい。 なぜなら、その問題が漠然としているか、または取り組むことの犠牲が大きいからである。 そこで、人々は、問題の負担を他の解決策――非常に効果的に思える、 善意から出た簡単な応急処置――をとることに「すり替える」。 残念ながら、この、より簡単な「解決策」は症状を和らげるだけで、 根底にある問題は変わらないままだ。根底ある問題は、気づかれないまま悪化する。 なぜなら、見かけ上は症状はよくなり、そのシステムは、 根底にある問題を解決するためにもっていた何らかの能力を失うからだ。
マネジメントの原則:対症療法的な解決策に注意しよう。 問題の根本的な原因ではなく症状だけに対処する解決策は、 せいぜい短期的な利益をもたらすばかりだ。 長期的には、問題が再び姿を現し、対症療法的な対応への圧力が高まる。 一方、根本的な解決策の能力は衰えるだろう。
どんな場合に見られるか:早くて手軽な「応急処置」があるときに、この構造が作用し始める。
構造:「問題のすり替わり」の構造は、二つのバランス型(平衡型)プロセスから成る。
構造の理解とその活用:良かれと思ってなされた「解決策」が実は長期的には状況を悪化させる、 という挙動は、「問題のすり替わり」の構造によって説明することができる。 根底にある問題には対処がされないままなので、悪化するだろう。 さらに対症療法的な解決策の副作用によって、根本的な解決策を適用することが一層難しなる。 やがて、人々は対症療法的な解決策にますます頼るようになり、一見したところ、 それが唯一の解決策と思い込む。 意識的に決定する人が誰もおらず、人々は対症療法的な解決策への依存を高めることに 「問題のすり替え」てしまうのだ。⇒「目標のなし崩し」
挙動のパターン:「問題のすり替り」構造は、ストレスの症状が現れた時に、 周期的に危機を生み出す傾向にある。危機は通常、さらなる対症療法的な解決策によって解決され、 それによって、症状が一時的に改善する。長期的には健全性が徐々に低下することである。 問題の症状はどんどん悪化する。悪化に気づかれないままでいる期間が長ければ長いほど、 人々が根本的な原因に立ち向かうのが遅れれば遅れるほど、状況を好転させるのがより難しくなる。 根本的な対応力を失う一方、対症療法的な対応がどんどん強くなる。
レバレッジを得る方法:「問題のすり替え」構造に効果的に対処するには、根本的な対応を強めることと、 対症療法的な対応を弱めることを組合わせる必要がある。長期的な方向性と共有ビジョンの意識が必要である。

自分自身の「問題のすり替わり」物語を作り出す方法
「問題のすり替わり」構造の存在の手掛かりは三つある。
  長期にわたって次第に悪化する問題があること――ただし、一時的には良くなるように思える場合が多い。
  システム全体の健全性が次第に悪化すること。
  無力感が高まっていること。


第7章 自己限定的な成長か、自律的な成長か

レバレッジの原則には異を唱えがたい。 だが、現実の大部分のシステムでは、その中にいる人たちからは、レバレッジが見えにくい。

私たちが自ら「市場の限界」を生み出すとき:
「何が起ころうとも」重要な実施基準を守ること、 そういった基準満たすために必要なことは何でもすることが不可欠である。 、最も重要な基準は、顧客にとって最も大事なことである。 それは、製品の品質(設計・製造)、納期、サービスの信頼性と質、 サービス・スタッフの思いやりや気遣いなどである。

木を見て森も見る:成長と投資不足
投資不足とは、生産設備の建設が、顧客の需要の増加に対応するために必要な規模に満たないことを意味する。 「投資」とは、物理的な生産設備の増強、業務プロセスの改善、組織構造の強化、人材育成などを意味する。
このパターンを見えにくくしているものが二つある。
  それが徐々に起こること。「ゆでガエル」症候群の根底にある構造である。
  
  この症候群のただ中にいるマネジャーたちの目には、注意を要する緊急の問題が非常に多く入ってくる。 ――そして、より大きなパターンを見る用意ができていない。
種類による複雑性と動的な複雑性の両方を見るように訓練されている人はほとんどいない。
システム思考の技(アート)は、種類による複雑性を見通して、その根底にある、 変化を生み出す構造を見ることである。


技術系企業では、状況の現実の把握は、下表のような細部を理解することから始まる。
私たちに最も必要なのは、何が重要で何が重要でないか、どの変数に焦点を当て、 どれにあまり焦点をあてなくてよいかを知る方法である。 このためにグルームやチームが共通の理解を深める方法が必要である。

生産能力
機械の生産設備
交替制
製造
日程計画
タクトタイム(稼働時間を生産計画数で除した値)
プロセス技術
流通チャネルと納期
エネルギー・コスト
競合他社の計画
サービス時間

人的資源
サービス・スタッフ
製造スタッフ
メンテナンス
採用
教育
退職
勤労意欲
生産性
経験
チームマネジメント
配置転換
従業員持ち株制度

競争要因
市場の規模
市場セグメント
技術トレンド
評判
サービスの質
競合他社のサービスの質
価格
人材を引き付ける魅力、資本、労働生産性


究極的には、システム思考の言語を習得するには、その他の補完的な学習ディシプリンも必要になる。 その一つ一つが、個人やチーム、組織を、主に線形の観点から世界を見ることから、 全体的に見たり行動したりすることへと転換させることができる、 重要な原則やツールを与えれくれるのだ。