ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

ロジカルシンキング(論理思考)と意思決定

■論理思考は、自分の価値観を理解して表現することで機能する。

論理思考によって意思決定が可能であると錯覚されることがある。
仮説を検証していけば、解が得られると誤解され、その誤解に疑いすらいだかないことがある。


論理思考を身につけていれば、正解が得られ、正しい意思決定ができると考えるのは危険。


論理性は、主体性を希薄化する。
主体性とは主観的な主張を表現するリスクをとる意志を持つこと。


論理だけでできる選択は、論理的な人であれば誰でもできる。


ビジネスにおける重要な選択は、実際のところ、人の価値観によって行われる。
問題は、その人の価値観が外部から持たされた価値観か、自分の内なる価値観かの違い。


ビジネスにおける「価値」とは、主観的なものであり、「私にとって大切だ」ということ。
したがって、価値を生み出すためには、外部の基準が変わっても変わらない自分の価値観を理解し、表現することが不可欠だ。
論理思考は、それがあってはじめて効果的に機能するもの。

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■“事実”
事実をともなった主張は、説得力を持つ。
しかし、事実の選択が恣意的になされるのであれば、事実が客観性を裏付けるとは言い切れない。


■“原因”
結果Bの原因をつきとめようとするとき、Bという結果から
時間を遡ろうとする。

原因A→結果B

そのとき、問題解決のために原因を特定しようとする意識が働くため、
解決可能な原因を定義しようとする。
原因が作られてしまう。

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★起こっていない原因
ビジネスでは問題解決の場面で、起こっていない原因がしばしば用いられる。


 仕事の生産性が低いのは、情報共有ができていないからだ。
 社員のモチベーションが上がらないのは、ビジョンが明確じゃないから。


起こっていない原因は、発生していないが故に、問題(結果)との因果関係は
そもそも証明できない。


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因果関係分析を過信してはいけない
・・・因果関係分析には、必ず恣意性が混入する


事実による裏付けと同様に、因果関係分析も、
あくまでも主張の意味を効果的に伝えるための
コミュニケーション手段の一つと認識すべき。
分析よりも、主張そのものが重要
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MECE(Mutually Exclusive collectively Exhaustive)にはモレがある
MECEは、選択されたロジックの選択肢の中でのみMECEなのであって、
捨て去られる選択肢があるという点で、MECEではない。


★量質転化の法則
量が変化すれば、質が変化し、質が変化すれば、量が変化する
このように、相互に作用し合う関係をロジックツリーで表現することはできない。



■デシジョンツリー
デシジョンツリーを作っただけでは、意思決定はできない。
意思決定のためには、どのような決定原理を判断基準として用いるかが
決められなければならない。

代表的な決定原理
1.マクシマックス原理
  楽観的シナリオ。強気の意思決定。

2.ミニマックス原理
  悲観的シナリオ。リスク回避。

3.期待値
  確率的合理性に基づき、意思決定する。


■仮説検証を繰り返しても解は得られない
正解がどこかにあるという発想は、主張する本人の意志(=どうしたいか)なくしては成立しない



■仮説の階層
「主張の仮説」と「事実の仮説」
「主張の仮説」とは、何を結論として主張するかに関する仮説
「事実の仮説」とは、主張の仮説を、どのような事実によって裏付るか


(例)売上が減少-------------------------------------------
主張の仮説
・製品の差別化要因が劣化した

この仮説を検証するために、アンケートを実施することになる
アンケートを取るために、より具体的な仮説が立てられる
(=事実の仮説)
1)機能面での差別化要因が劣化した
2)デザインの訴求力が低下した
3)サービス面での差別化要因が劣化した

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事実の仮説が検証されたからといって、それによって裏づけられる
「主張の仮説」を解(結果)とはみなせない。

仮説を裏付ける事実は得られたとしても、そのことによって
仮説が結論であるとは言えない。


■結論は選ぶもの
仮説検証から得られるものは、「仮説」である。
結論は、自分の意志で「選ぶ」ものだ。


論理的に期待値が計算できたとしても、意思決定は期待値によって
論理的に行われるとは限らない。
その選択の基準として、もっとも重要なのが自分自身の「価値観」だ。


■価値観
外発的な「価値観」:(持たされた価値観)企業文化など
内発的な「価値観」:「何を大切にするか」

外発的な「価値観」を選択の基準として意思決定すると、軸がぶれる、
創造性が欠如する。