人々の99%とは交渉が可能だが、けっして合意を見出せない交渉相手というのが稀に存在するという。①懐柔と挑発を交互に繰り出してくる人、②人間を完全に白か黒かで考える人だ。
1.懐柔と挑発を交互に繰り出してくる相手
このような手合いの望みは話し合いによる合意ではなく、交渉のプロセスと交渉相手を支配することにある。交渉を続けることで得られるメリットがあるにせよ、時間と労力の浪費による損失がそれを上回ってしまうだろう。
2.人間を完全な善か悪かでしかとらえない相手
この人物の望みは、悪人に罪を白状させ罰することなのだ。そしてあなたがこの相手と対立しているのなら、悪人に分類されている可能性がある。あなたが交渉をやめることで、あなたを罰する機会を相手から奪うことができる。
どんなに優れた交渉人であっても、これら2種類の人が相手では双方にメリットをもたらす結果は得られない。相手の根本的な目的は合意ではないからだ。こうしたレアケースでは、交渉に関するどれほど最高のアドバイスや処方箋でも奏功しない。その代わりに実践すべきは、次の4つのステップである。
●現実的になる
●譲歩をやめる
●相互依存度を弱める
●すべてを公にして、相手に説明責任を持たせ、可能なら第三者を巻き込む