ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

トリプルA戦略

「世界はフラットではなく、その差異を理解して利用することが競争優位をもたらす」ということになるでしょう。それが、ゲマワットのグローバル戦略「トリプルA」です。

●Adaptation(適応):商品や販売などのバリューチェーンローカライズすることにより、現地のニーズや環境に合った事業を展開し、売上高と市場シェアを増やす戦略
●Aggregation(集約):製品やサービスを標準化し、開発と生産のプロセスを統合することにより、規模の経済を追求する戦略
●Arbitrage(裁定):国や地域ごとの差異を理解して活用する戦略

グローバル化の進展により、トリプルAも変遷します。

 最後のA、アービトラージは、グローバリゼーションの初期段階、1.0においては単純な鞘抜きです。たとえば、生産コストの低いメキシコでつくったものを欧州で販売して、コールセンターはインドに置くといった具合で、市場間の主にコストの差を利用します。

 次の2.0の段階に進むと、国境を超えて経営資源を獲得し、国や地域ごとの知恵や強みを共有しながら、それぞれの特徴を生かした製品づくりやビジネスを行います。この段階における差異はコストよりもむしろ、専門性や優位性が主です。

 ここまでが足し算の話だとすれば、3.0は掛け算の世界になります。自社のルーツや独自性を把握したうえで、地域ごとの文化、政治、地理、経済の差異を認識し、双方向に知恵を出し合いながら異質のものを融合する。これにより何倍もの価値を生み出すのが、鞘抜きや分業を超えて3.0に進化したアービトラージです。