ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

GEの「9Blocks」


「直近のパフォーマンス(成果)」と「将来的なポテンシャル」という2軸で社員をカテゴライズする方法である。直近のパフォーマンスの軸は、「上位20%」、「中位70%」、「下位10%」に分けられる。一方、将来のポテンシャルの軸は、「今すぐにでも上位職務の担当が可能」、「2〜3年以内に上位職務の担当が可能」、「今の職務が限界」に分けられる。

 これによって、下図のような9つのボックスからなるマトリックスができあがる。このマトリックスが面白いのは、単にパフォーマンスがよいからといって高い評価が得られるわけではなく、またパフォーマンスが低くても幾何の猶予期間が与えられるということである。

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GEの評価軸は、たった3段階と、非常にシンプルである。※正確には、将来的なパフォーマンスは、『バリュー』と呼ばれている。

この評価の特徴は、細かい測定項目があるわけではない、ということ。期待以上か期待通りか、期待以下かを決めるのは、各部門TOPの主観、そして人事からの客観的な指摘であるということだ。

全ての指標は、定量的であるべきだと考えていたが、人事評価の場合、測定可能でない部分が、どうしても含まれるため、これくらいシンプルで、かつ主観に頼る方が、潔いのかもしれない。

(評価というのは、評価者の主観がだいぶ入るわけだが、そこは、「人が人を使う以上、主観を排除することは不可能である」という割り切り)

測定項目で点数化して行う場合、客観的ではあるかもしれないが、会社にどのような貢献をしているかという、全体観を見過ごすことになる。

そして、GEを語るうえで忘れてはいけないのが、「リーダーシップ」である。

将来的なパフォーマンスの評価軸

GEが、昇格を決定する、もしくは人材育成を行う上で、最も大切にしているのは、リーダーを育てることだ。

そして、このリーダーシップを、将来的なパフォーマンス予測に、一致させている。

世界100カ国以上で働く、約30万人の社員の中から、成績の良いリーダー150名の資質を分析し、GEグロースバリューとして、5項目のリーダーシップ論を定めている。

GEグロースバリュー

外部志向(external focus) :顧客・市場・競合見て意志決定すること
明確でシンプルな思考 (clear thinking):アクションに繋がるように戦略的に考えること
想像力 (imagination):新たなものを生み出していく力
包容力(inclusiveness):世界に目を向けて自らを問い直す謙虚さ
専門性(expertise):深い洞察で物事を瞬時に判断できる高度な専門性
この5つを、主任、課長、部長などの職位階層ごとに、必要なスキルを設定し、育て、評価に連動させている。