個の能力を最大限に生かし成果を上げるための経営手法は、教科書的、一般的なそれとは異なっている。
つまり、トップがゴールとそれに到達するための戦略を決定し、指示によって組織的にチームを動かすという経営とは根本的に発想が違っている。
1)個としてのアイデンティティを徹底して重視する。
分かりやすい言葉でいえば、「自分が自分であること」である。
会社用のキャラクターを用意する必要はない。
個としての能力を、本人が自己で認識している以上に引き出すためには、それが必要となる。
2)トップが設定するゴールは、欲求であり、なりたい姿である。
あるべき姿でもなく、努力すればなれる姿でもない。
「こうなったら、カッコいいよね!」と、自分自身で思える姿だ。
3)種をまく
そして、そのゴールに到達するために私がするのは、テクノロジーやアイデアの種を個としてのメンバーたちに与えることだ。
欲求を源とするゴールには人を惹きつけるものがあり、それによって個はモチベートされる。
種を与えられたら個は、それを自由に育てていき、偶然性と個の違いによって様々な花が咲く。
そして、花から実がなり、それらの花々が次の種となっていく。そして、数回の連鎖によって大きな果実が得られる。
一見すると不確実であり、短期間を切り出してしまうと場当たり的にしか見えない。
しかし、個としてのアイデンティティを守ることと、欲求を源するゴール設定と、的確な種を与えることによって、高確率で大きな果実がなるのだ。
この経営手法の最大の特長は、個が自分らしく生きながら、自分の認識している以上に個が能力を発揮し成果を上げることによって、大きな成長が期待できるところにある。
つまり、個が充実感と幸せを感じることができる手法なのだ。