ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

バリュー・デリバリー・システム

「人は製品を買うのではない。製品がもたらすベネフィットに対する期待を買うのである」という限りにおいて、企業の事業活動は、製品・サービスを開発、製造するプロセスではなく、顧客を満足させるプロセスであるといえる。実際に顧客がお金を払って購入する製品・サービスだけでなく、通常、おまけのように扱われる顧客サービスなども含めて、顧客の眼から見た全体的な視点で「製品とは何か」を正しく定義し、顧客へのバリュー・デリバリー・システムとして事業を設計する必要がある。


今後のビジネスで重要になるのは、バリューデリバリーシステムである。これは顧客にとっての価値の選択、創造、伝達という3つの段階で構成されている。どの顧客に、どの用途で存在する、どういったニーズを、どのような形で実現していくのか。価値の選択と創造に焦点をあて、その中身を5V Modelという5つのバリューを用いて説明する。

■バリュー・プロポジション
 まず「価値の選択」段階であるが、ここでは「バリュー・プロポジション」が重要になる。訴求価値の見極めのことで、顧客・用途・ベネフィットを明確にする必要がある。そのために、まずはマスを狙わずにリードユーザーを絞り込む。それを元に仮説を立て、実際の顧客セグメントに対応させていくことが重要である。

■バリュー・パッケージ
 次に「価値の創造」段階であるが、まず重要なのは「バリュー・パッケージ」の決定である。これは商品サービスそのもののことであり、単なるモノではなく、ソフトを伴った顧客にとっての本当の価値を提供しなければならない。

■バリュー・プライシング
 パッケージ決定後は、顧客価値に基づく「バリュー・プライシング」を行う。ここでは顧客にもたらす経済価値(上限)、自社コスト(下限)、競合他社の価格(制約)、顧客の理解や期待(障害)といった4つの価格決定要因を睨みつつ、価格を最大化する努力が必要となる。

■バリュー・プロモーション
価格決定後は、顧客の期待と満足をどう演出するか、「バリュー・プロモーション」の検討が必要である。リードユーザーを取り込むため、顧客の期待を高めることは必要だが、それに顧客満足を随時ヒットさせていかなければならない。期待と満足のコントロールがポイントとなる。

■バリュー・インターフェース
 最後に重要なのが「バリュー・インターフェース」であり、これは販売や契約時だけでなく、様々なプロセスで顧客との幅広いインターフェースを確保し、顧客価値を向上させることである。こうしたプロセスを通じ、顧客価値を最大化する戦略を立案するのである。