ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

コンフリクト・マネジメント

コンフリクト・マネジメント

経営の現場で往々にして生じるコンフリクト(対立や摩擦)。

立案した戦略の価値を損なうことなく実行に移すためには、まずそのコンフリクトを健全に受け入れること、そして、コンフリクトを的確に使いこなすコミュニケーションの技術が必要。

戦略実行におけるコンフリクト・マネジメントの失敗例
(戦略の価値の低下を招く)

1.コンフリクトの丸呑み
反対意見を取り込むことで、戦略そのものの完成度を下げる。


2.コンフリクトの無視
コンフリクトを無視することで、社内に軋轢を生み、戦略の実行が頓挫してしまう。


3.コンフリクトの読み違い
コンフリクトの解消に取り組んでも、その取り組みが的外れで効果を出せない。



コンフリクト・マネジメントの手法

1.コンフリクトの丸呑み、2.コンフリクトの無視も、コンフリクト自体と向き合わないことが失敗の原因。
コンフリクトが生じることを前提に、受け入れ、冷静に対処する。
(「一枚岩」という表現は、コンフリクトを前提としていない。)


コンフリクトが発生した場合は、発生のポイントを見極めることが大切。
発生ポイントは、以下の3つの何れかに該当する。

A.手法についてのコンフリクト
例)改革の必要性には同意するが、そのやり方には反対
やり方:アプローチ、スピード、体制、担当者など


B.役割に起因するコンフリクト
例)それを実行すると自部門がなくなる、部下が困る、協力会社が苦境に陥る


C.ビジョンに対するコンフリクト
そもそも戦略自体に疑問を感じている

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表面にあらわれているコンフリクトが真のポイントではない場合がある

例)ある部門のリーダーとビジョンに対するコンフリクトが発生
通常は改革の必要性を議論すべきであるが、その担当者が事業統廃合の対象となる部門のリーダーの場合、いくら改革の必要性を議論してもコンフリクトは解消しない。
(↑コンフリクトの読み違い)

なくなってしまう部門のリーダーだという立場(リーダー本人、部下、協力会社の処遇など)を配慮したコミュニケーションが必要となる。

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コンフリクト解消に向けた3ステップ
1受け入れ
  ↓
2見極め 表面にあらわれているコンフリクトに惑わされない
  ↓
3解消

解消のテクニック
◎客観的な事実(データ)を元に議論していく。
例)「この戦略を実行すると現場が混乱する」という現場でのコンフリクトが生じたら、事実を確認しながら議論していく。往々にして「混乱する」かどうかを確認せずに進めてしまいがち。


◎コンフリクトが発生しているところ、していないところを確認し、議論の土台を作る。
コンフリクトが生じた場合は、3つの種類のコンフリクトをベースに、双方でコンフリクトの有無を確認していく。
ビジョン?役割上の問題?それとも手法?と、コンフリクトの有無を確認していき、コンフリクトの構造を可視化する。


◎最後にコンフリクトを解消するための妥協点を明らかにしていく。
お互いの立場、譲れないポイントなどはすでに可視化されているので、妥協点を模索するポイントを絞り、議論していく。



「コンフリクトが生じることは、むしろ組織の健全性の証しである」と認識すべし