ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

デコンストラクション

デコンストラクションとは、バリューチェーンの分解と再構築を表します。バリューチェーンは、人件費の高騰や技術の進化によって変化していきます。この変化に甘んじず、積極的に競争優位を築くためにデコンストラクションを行います。

BCGでは、バリューチェーンの再構築が与える脅威や機会を見出すチェックリストとして、以下の5つを挙げている。

(1)バリューチェーン全体の中でコストの割に価値の低いところはどこか
(2)自社の事業は、顧客のバリューチェーンの一部か、全部か
(3)自社の事業で、ネットワーク化によって影響を受けるのはどこか
(4)現在の戦略的資産のうち、負債となるものはどれか
(5)どのような新しい活動・能力が必要になるか

なお、バリューチェーンの再構築は新しい競争優位を築くチャンスととらえることも可能である。BCGは新しいビジネスの創出パターンを以下の4つに分類している。

(1)レイヤーマスター
特定の付加価値活動で優位性を築く方法。メーカーはバリューチェーンを丸抱えしがちだが、バリューチェーンの一部に特化することで優位に立てる可能性がある。例えば、マイクロソフトインテルは特定部品に付加価値部分を集中させる方針をとっている。1つの要素で支配的地位を確立できれば、他の付加価値部分についてはアライアンスを組むことも可能となる。

(2)オーケストレーター
独立した企業が連なる新たなバリューチェーンを構築・運営し、全体の価値を高める方法。例えば、パソコン販売のデルは、在庫販売型ではなく受注生産を採用し、部品メーカーの組織化や業務のアウトソーシングなどを用いた、効率的なシステムを構築している。

(3)マーケット・メーカー
既存のチャネルの弱みや、欠点をついて新市場を開拓する方法。例えば、インターネットによる中古車販売は、中古車の映像や見積もりなどを配信することで、より広範囲で迅速かつ活発な取引を可能にした。

(4)パーソナル・エージェント
ネット上の無数の情報を整理するナビゲーターが、新たな購買代理店として機能する方法。例えば、ショッピング・サイトの楽天は、出店企業と顧客の間に立ち、ネット上の店舗管理運営ノウハウの提供や顧客の買い物のアドバイスを行っている。