ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

ビジネス戦略の本質

ビジネス戦略の本質は実はかなりシンプルな顔をしていると私は考えています。ようするに戦略の行きつく先もその3つしかないということです。戦略、つまり経営資源の配分先は、結局のところPreference(好意度)、Awareness(認知)、Distribution(配荷)の3つに集約されるのです。その中でも無限の可能性を持っているのはプレファレンスのみですから、戦略の究極的な焦点は消費者プレファレンスを高めることです。
繰り返しになりますが、プレファレンスは、主にブランド・エクイティー、価格、製品パフォーマンスの3つによって決定されます。 裏返すと、戦略を立てる上で着眼すべき点も最初からその3つしかないということ。自社ブランドの問題点の発見も、成長させていく有力な伸び代の発見も同じです。最初からその3つのビジネス・ドライバーに絞って探していくことで、確率の高い戦略に早く辿りつくということです。認知にもっと伸び代はないか? 配荷にもっと工夫はできないのか? プレファレンスに革新的な変化を起こす方法はないか? その3点にベクトルを合わせて頭の中で追いかけ、仮説を立てながら思考するのです。そうすることで勝てる戦を見つけるのが本当に早くなります。
プレファレンスが上がれば、自社ブランドの最大ポテンシャルを上げることができ、ビジネスは成長します。消費者が相対的に自社ブランドをより強く好むようになれば、ポテンシャルが上がるのは当然です。またプレファレンスがたとえ一定でも、認知率や配荷率を上げることでも(制限が減るので)ビジネスは成長します。本書においては、プレファレンスを上げることで成長させる前者を「ブランドの質的な成長」と呼び、認知や配荷を上げることで成長させる後者を「ブランドの量的な成長」と呼びます。 私の経験上、問題のあるビジネスのたいていはプレファレンス以前に、「認知」と「配荷」にわかりやすい大きな問題があります。認知と配荷は、それぞれの割合によってブランドの可能性を一気に制限してきますので、これを拡げることは効果抜群です。認知を上げても、配荷を上げても、ある程度までは直線的にビジネスは伸びていきます。認知を伸ばすこと、そして配荷率を伸ばすことは、一番わかりやすくて確実性の高い勝てる戦なのです。

ブランド・エクイティ
ブランドが有する資産的な価値。企業はブランドによって、他の企業から商品、サービスを差別化をしている。ブランドが直接、間接に企業の資産価値に及ぼす影響は少なくない。例えば、ブランドに対する消費者からのイメージの良し悪しによって、商品の価格設定や生産量が変わってくるからである。このような、ブランドが持つ知名度や信頼感などの無形の価値を「資産」ととらえたものがブランド・エクイティ(ブランド価値)である。また特に、品質の評価の判断が難しい製品やサービスでは、ブランドの価値が非常に重要になってくるため、広報活動などによるブランド・エクイティの構築に費用、時間をかけることが多い。