ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

ブランド・エクイティ

ブランド・エクイティのコンセプトを提唱したデービッド・A・アーカー教授は、ブランド・エクイティを「ブランド、その名前やシンボルと結びついた資産と負債の集合」と定義しました。
アーカー教授によれば、ブランド・エクイティは主に次の4つからなります。
ブランド認知
そのブランドが知られているかどうか。一般に、認知度が高いブランドの方が有利となります。
知覚品質
消費者がそのブランドの品質をどのように評価しているか。消費者からの評価は購入を促す強い要因となります。
ブランド・ロイヤルティ
消費者がブランドにどれだけロイヤルティ(忠誠心)を持っているか。高いロイヤルティを持っている顧客は売上や利益の強固な基盤となります。
ブランド連想
ブランドからどのようなイメージが連想されるか。ブランド連想は、そのブランドのポジショニングを決める重要な要因となります。
上記以外のブランド・エクイティの要素としては、例えば商標権、特許権などの権利関係が挙げられます。
ブランド・エクイティマーケティング活動を効率的にし、価格プレミアムを実現し、あるいはブランド拡張を有利にするなど、競争優位の源泉となります。

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意味

ブランドが持つ資産価値のことを指す。ブランドは単なる名前や記号ではなく、信頼感や知名度など、無形でありながらも価値を有している。これらを、企業の資産として評価しようという考え方だ。

ブランド・エクイティ戦略』の著書であるデイヴィット・A・アーカー氏が提唱。同氏は、ブランド・エクイティの構成要素として、以下の5つを挙げている。

(1)ブランド・ロイヤリティ(ブランドへの忠誠心、気に入っている度合)
(2)ブランド認知(ブランド名の認知度)
(3)知覚品質(消費者が理解している品質)
(4)ブランド連想(ブランドに対する心理的・感情的な連想、イメージ)
(5)その他の資産(特許や商標や流通関係など)

解説

企業がソーシャルメディアを利用する目的の1つとして、「ブランディング」を挙げる例は多く、SNSソーシャル・ネットワーキング・サービス)をブランドの資産価値を上げるツールと捉えている面もある。

だが実際には、そもそもブランド・エクイティが低い企業は、ソーシャルメディア上でもファンやフォロワーが付きにくく、反応もよくない。一方、高い企業はその逆だ。ソーシャルメディアを通じて、ブランド・エクイティやブランド・アイデンティティの現状が顕在化していると言えるだろう。

実際の企業活動においても、認知やロイヤリティが高いブランドであれば、販売促進活動に使われるマーケティング・コストは低く抑えられる。競合他社などと比較して、品質に対する信頼感が強ければ、市場において価格決定権を持ち、高く値付けできる。

高いブランド・エクイティには、具体的なメリットも多く、企業の競争優位性に直結している。しかも、消費者が持つ品質のイメージやブランド連想は、購入者の安心感や使用満足度の向上につながり、企業だけでなくユーザーに対しても価値を提供することになる。

課題

資産価値を定性的にではなく、定量的に評価するには、それぞれの構成要素を数値化する必要がある。各構成要素の数値化や複数の構成要素を1つにまとめることは難しいため、ブランド・エクイティの数値化は非常に困難なのが実情だ。

数値化の現実的な方法として、ブランド・ロイヤリティなどの構成要素を評価するアンケート調査などがある。しかし、アンケート調査を基に各要素を定量化しても、その数値を「金額」に換算できないため、資産価値として検証できないという課題がある。

ブランド・エクイティは数値化が必須というわけではない。資産として金銭や土地、建物を管理するように、「ブランドは資産である」という考え方を持って、それを高める努力が重要なのである。