ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

EVA

EVA(Economic Value Added;経済付加価値)とは、米国のコンサルティング会社であるスターン・スチュワート社が開発した独自の経営指標(登録商標)をいう。

従来のROEROAといった経営指標とEVAの大きな違いは、資本コスト概念を組み込んで経営成績を評価できる点にある(EVA=税引後営業利益一総資本コスト)。

企業経営の目的は、企業価値の最大化にあります。しかし、相変わらず、業績を損益計算書の利益を重視している企業が多いのが実態です。損益計算書には、投資家の一方である債権者に支払うコスト(支払利息)しか出てきません。もう一方の投資家である株主に支払うコストが反映されていないわけです。そこで考え出されたのが、EVAです。毎年、企業が生み出すEVAがプラスであれば、その企業の価値は上昇し続けていることになります。日本企業では、花王東京ガスダイキンなどがこの指標を業績評価指標として採用しています。

EVAを上げるためには、以下の3つの施策が考えられます。

・税引後営業利益(NOPAT)を高める
・投下資本を減らす
・加重平均資本コスト(WACC*1)を下げる

投下資本を減らすと言っても、必要な投資をしなければ、将来のNOPATを減少させてしますことになりかねません。むしろ、売上債権、在庫の圧縮、遊休地、事業とは関係のない有価証券の売却などによって投下資本を減らすべきでしょう。また、EVAは、次のようにも表現できます。

EVA=(ROIC*2−WACC)✕投下資本

こうすると、企業としてはWACCを上回る投下資本利益率(Return On Invested Capital :ROIC)をもたらす事業のみに投資をすることが重要であるとわかります。経営者としては、限られた投下資本の中で、ROICとWACCのスプレッド(差)を最大化することが大切ということです。

1)WACCとは、資本コストの代表的な計算方法で゙、借入にかかるコストと株式調達にかかるコストを加重平均したもの。 Weighted Average Cost of Capitalの略で、加重平均資本コストともいう。 実際に資金を1円調達するのにいくらのコストがかかっているかを示すのが加重平均資本コスト(WACC)

2)ROIC(投下資本利益率、Return on Invested Capital)とは、税引後営業利益を投下資本で割ることで求められる指標です。 この指標により、事業活動のために投じた資金(投下資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益に結びつけているかを知ることができます。