ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

人を動かすスピーチ

理想のスピーチは、聴き手が思わずついていきたくなるスピーチです。「論理的で、心に響き、信頼でき、想いが伝わる」と聴き手が感じるものです。逆に言えば「支離滅裂で、無味乾燥で、自分勝手で、上辺だけ」と思われないようにするべきです。

 12カ条の主な項目は「論理」「感情」「信頼」という大きな3つの項目でくくることができます。後述しますが、これは古代ギリシャ時代から、スピーチの説得力の源泉と言われてきた3つの要素です。これに加えて、言葉を超えたスピーチの伝え方、つまり「非言語」の部分もとても大切だと私は考えています。

 以上、4つの大きなくくりに分けた12カ条について、もう少し詳しく見ていきましょう。

■〈論理〉

1 メッセージを明確にする

 「いったい自分は、何が伝えたいのか?」を、一文で言えるまで、自問自答することをお勧めします。さらに一言(数語)で言えるまでにメッセージを研ぎ澄ませば、決めの言葉として使えます。

2 主張には理由を添える

 主張や訴えには、必ず理由を添えてください。その理由が、聴き手にとって納得いくものかどうかが、説得力の基本です。上司の主張に理由がなくても、部下は怖くて「なぜですか?」とは聞けません。

3 スピーチの構造をシンプルにする

 分かりにくいスピーチには、しばしば主語がありません。だらだら話すのはやめ、文章を短く、シンプルにしてください。最後まで話し切らずに、前後関係をあいまいにしたままで次のことを言うのではなく、「しかし」「だから」「つまり」といった接続詞を的確に使うことが大切です。

■〈感情〉

4 ストーリーを織り込む

 ストーリーを語ってください。主張、理由、事実を客観的に語るだけでは、聴き手の心は動きません。リーダーは自分自身が見聞きしたことだけでなく、そこで思ったこと、感じたこと、気づいたこと、学んだことを伝えるのが仕事です。

5 心情と情景をありありと語る

 ストーリーを語るときは、目の前に広がる光景、聞こえる音、身体で感じる感覚、心で感じる想いを、ありありと表現することが大切です。そうすると、臨場感が増すからです。淡々と、他人ごとのように話すのではなく、自分ごととして語るようにしてください。

6 自己開示する

 ストーリーは、腹を割って、等身大の自分をさらけ出すことが大切です。失敗談は、勇気の証しです。誰のスピーチであれ、自慢話ほど、退屈なものはありません。そして、そのことは誰も指摘してくれません。

■〈信頼〉

7 相手に共感する

 相手(聴き手)がどんな状況に置かれていて、何を考え、何に悩んでいるのか、相手の立場に立って理解しようと努めることが大切です。自分だったら、どう思うか、何をしてほしいかを想像すると、相手に何を伝えるのがいいのかが、自ずと理解できます。

8 相手のために尽くす

 自分のために相手を動かそうとすると、必ず反発を招きます。まず相手のために尽くし、その上で、協力をお願いしましょう。目指す姿に大義があると、人はその実現に貢献したくなるのです。

9 本心を語る

 その場ののりで、自分が思ってもいないことを話してはいけません。上辺だけの言葉は、非言語の違和感として現れ、聴き手の直感力で、すぐに見抜かれます。

10 言ったことは実行する

 誰と話しても、「誠実さがない人の話には、従いたくない」と、口をそろえて言います。「誠」という漢字は、「言ったことを成す」と書きます。口先だけのリーダーには、誰もついていきません。言ったことを地道に実行に移す、誠実なリーダーに人はついていくのです。

■〈非言語〉

11 身体のメッセージを意識する

 言葉以上に、身体は多くを物語ります。不機嫌な表情、どんよりとした輝きのない目、ボソボソとしゃべる力のない声、覇気のない姿勢では、何を言っても心に響きません。自分の非言語を、今一度見直すことが大切です。

12 心をポジティブな感情で満たす

 非言語は、心に抱く感情が身体に現れたものです。愛、勇気、感動、感謝、夢、志、覚悟、情熱、信念。このようなポジティブな想いで心を満たすと、それがポジティブな非言語となって身体に現れます。真に影響力あるリーダーは、ただそこにいるだけで、人の心を動かします。