ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

相場サイクル 相場の4つのステージ

株価の本格的な反転上昇は、逆業績相場から金融相場への移行期に起こりやすい。

1金融相場:金利が下がり、株価は上がる
不景気で企業業績・株価が悪化しているため、中央銀行が金融緩和を行い、利下げによって景気回復を図り、株価を上げていく「不景気の株高」の段階。

パンデミック発生の大混乱が収まりつつあった2020年春。当時の環境は「金融相場」
アメリカ政府は家計への給付金と失業手当を大盤振る舞いし、それを横目に連銀はゼロ金利政策と毎月1200億ドルの資産購入を実施する量的緩和を実施。

2業績相場:金利が低いまま、さらに株価は上がる
金融緩和により企業の業績が回復しはじめた段階。

2021年は金融相場の色彩を残しつつ、次なるステージの「業績相場」に移行した。新型コロナワクチン開発の成功もあって対面型サービス業が持ち直し、企業業績の回復傾向がはっきりとしてきた。
2021年後半になるとインフレ率の上昇が徐々に人々の注目を集めるようになっていたが、連銀全体としての見解は「インフレは一時的」であり、急激な金融引き締めを講じる必要はないとした。

3逆金融相場:金利が上がり、株価は下がる
景気が拡大しすぎてインフレにならないよう、利上げによって引き締める段階。

ロシアのウクライナ侵攻が始まった。原油・天然ガスなどの資源価格が急騰し、高インフレの早期終了シナリオは打ち砕れた。
長期金利上昇が、株式の相対的な魅力を減じたことで、株価はPER低下を伴い、下落傾向にある。企業業績は現在のところ拡大を続けているが、市場関係者は業績悪化を意識せざるをえない状況に直面している。これは典型的な「逆金融相場」。

4逆業績相場:金利が高いまま、さらに株価が下がる
利上げによって景気が下降し、株価が一段と下がる。

次なるステージは「逆業績相場」。このステージにおいては、企業業績の見通しが悪化する下で、株価は下落あるいは低水準でモミ合いとなるのが基本パターンである。
現在の金融市場は「逆金融相場」であるとの見方が基本であるが、逆業績相場に片足を突っ込みつつある点も認識しておきたい。

少し長い目でみると景気後退を意識させる材料が増えるにつれて、金融引き締めの終了が意識され、長期金利の上昇圧力が和らぐ「逆業績相場」に移行する。

エネルギー価格が低下するなどインフレ率が落ち着く兆候が散見されていることを踏まえると、逆業績相場から金融相場への移行が早期に到来する可能性もあり、それに備えておく必要がある。

今の株式市場は「景気が強すぎるから、容易に金利を引き下げられず、株式市場に逆風」というのが実情だ。だから「景気が鈍化すれば、金利を引き下げやすくなり、株式市場に追い風」である。これから期待されるのは「景気減速懸念が強まり、株式市場は買われる」という構図である。

「景気悪化を阻止するために金利を引き下げる」との判断をFRBがおこなえば、株式市場は様変わりする。これが要するにマーケットサイクルでいうところの「逆業績相場」から「金融相場」への扉を開くことになる。