ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

大富豪レイ・ダリオの成功法則「覇権国家250年サイクル」

レイ・ダリオは、16世紀以来、世界的に貿易を牛耳っていたオランダから、大英帝国、アメリカへと覇権国家が移り変わった時代を研究することで、未来に役立つ法則を見出そうとした。その結果発見したのが、「重要な国家の存続期間は約250年」

人生にも学校卒業まで・労働・老後と大雑把に3つのサイクルがあるように、覇権国にも以下の図のようなサイクルがあるという。新たな世界秩序が生まれた後は期待によって資金が流れ込み、バブルにつながる。弾けた後に国の信用も落ち、内部の紛争が起きる。それによって国力が落ち、新しい覇権国が誕生するという流れだ。


<(1)平和と繁栄の時期>
まず、このビッグサイクルの出発点は大きな戦争の後にやってくる。この時期に新しい覇権国を中心とした世界秩序が形成される。戦争の後なので、新しい覇権国に挑戦を挑む国はない。その結果、平和と繁栄の時期がやってくる。

<(2)金融バブルと格差の拡大>
平和と繁栄の中で投資が活発となる。信用の供与は拡大し、債務は増大する。これは金融バブルの発生に結果する。このとき、覇権国の経済力は強く、世界貿易におけるシェアも大きいので、覇権国の通貨が世界の基軸通貨となる。

しかしこの繁栄期は、富が異なった社会層に不平等に配分されるので、格差の拡大期でもある。富裕層とそうではない層との格差は一層拡大する。

<(3)バブルの崩壊と景気後退、(4)通貨の印刷と信用の拡大>
しかし、バブルはいずれは崩壊する。すると中央銀行は、経済を維持するために一層多くの通貨を印刷するが景気の後退は続く。

<(5)内戦と革命>
一方、社会的格差の拡大は富裕層と貧困層の対立を激化させ、富の再配分を強いるなんらかの革命に至る。これは平和的に実現されることもあるが、内戦に至ることもある。

このとき、政府の第一の責任は完全な崩壊を回避することにある。しかし、政府の財政が行き詰まり、社会矛盾緩和の財政支出ができなくなると、システムは崩壊し、内戦を抑制できなくなる。

<(6)覇権を転換させる大戦争>
国内の混乱によって、覇権国の国力は衰退する。反対に、競合国の力が増大して覇権国に挑戦できるほどになると、紛争の発生から戦争が起こる。これらの内戦と外国との戦争から、新たな勝者と敗者が生まれる。その後、勝者が集まり新しい世界秩序を形成する。そして、新しいサイクルは続く。

この覇権国の興亡のサイクルは、古代ローマ帝国から続き現代に至る。このサイクルの歴史は他のサイクルの歴史と融合して、我々の集合的な歴史を形成している。

過去400年で、世界の覇権国は以下のような変化をたどってきた。

基軸通貨国や準基軸通貨国が陥る罠が、「借金の増大」である。
彼らは自国の通貨が強いため、成長が止まっても国家を維持するために、必要な金を他国から容易に調達することが可能だ。それは、短期的には国家にとってプラスに働くが、長期的に見れば財政の悪化をもたらす。そして、何らかのきっかけで自国通貨の信用が低下した時、一気に崩壊する。
オランダの場合は、貿易戦争の勝者となったイギリスに敗れたことで、ギルダーの価値が一気に損なわれてしまった。その後、イギリスのポンドが基軸通貨の座からすべり落ちたのは、第一次世界大戦費によって自国経済が立ち行かなくなったのが原因だ。
そしてアメリカはいま、帝国の基盤ともいえる巨大な軍事費の負担に耐えきれなくなり、米ドルの地位を危うくさせている。

アメリカが独立宣言を発したのは1776年。アメリカの強さのピークは第二次世界大戦直後であった。ダリオの説によれば、アメリカが1サイクル=250年の終焉を迎えるのは2026年。

●米国覇権終焉の予測
①信用支出が拡大しすぎてバブルが発生
②バブルが弾けて金融危機
③米国が多額の軍事費を払う余裕がない時に戦争になる
④ドルと米国債に不信感
⑤ドルと米国債を持つ者が売却
⑥米国覇権の終了

●米国金融政策の予測
①再び、金融緩和(利下げ)金融危機
②ゼロ金利にしても間に合わない
③量的緩和開始(中央銀行が国債購入)
④スタグフレーション・悪性インフレが加速
⑤ドル安に向かう
⑥中央銀行破綻
⑦米国の覇権の終焉

レイ・ダリオはとうとう世界が「革命と戦争」のフェーズに突入しようとしていると指摘を始めているのです。
レイ・ダリオは国家間の戦争について、5つの定義をしています。
「貿易/経済戦争」「技術戦争」「資本戦争」「地政学的戦争」「軍事戦争」ということで、ステージが進むほど本格的に弾が飛び交うリアルな戦争に突入することを示唆しています。
この戦争フェーズが終了すると「債務処理と政治的な再構築」という第7フェーズが訪れ、ほどなくしてまた新たな世界秩序の構築に向けて元のサイクルに戻るとしています。