ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

ハーバード流交渉術

ハーバード流交渉術
http://stack.nayutaya.jp/book/4837903606

交渉方法の適否

1. 賢明な合意をもたらすか

2. 効果的であるか

3. 当事者間の関係を改善し、少なくともそれを損なわないものであるか

駆け引き型交渉はこの基準に合わない。

関係第一主義だとハード型交渉者につけこまれる。 →原則立脚型交渉で行うべき。

1. 人と問題を分離せよ。

・「自分は人間的要素に十分な注意を払っているだろうか」と自問する。

・ 現在樹立されている関係を維持することの方が1つの案件についての交渉結果よりはるかに重要な場合が多い。しかし、実質問題の解決と友好関係の維持という2つの目的は常に二律背反の関係にあるものではない。

・ 問題の状況を相手の立場にたってみる能力がもっとも重要な資質。他人の考えを十分に理解した結果、状況の本質についての自分の認識を改めるということは起こり得るが、それは便益と解釈すべき。

・ 自分の問題を相手のせいにしない。

・ 解決案の内容がいかに相手方に有利なものに見えても、相手方はその作成過程からはずされたことに猜疑心を抱き、それだけの理由でこれを拒絶する可能性がある。

・ 顔をたてるということは妥結案が両交渉者の主義主張や社会的イメージと相反しないように調整するということであってその重要性を過小評価してはいけない。

・ 自分型または相手方の感情問題を隠さず討議の対象とすることは、問題の深刻さを強調するだけでなく、交渉を単なる反作用的対応からもっと生産的な協力行為へと移行させるのに役立つ。感情を抑えておく圧迫感から解放され、問題の実質に取り組み易くなる。以上の点からすれば、相手の非難演説や退場など中途で思いとどまらせるようなことはせず、じっと我慢して相手に不満を吐き出す機会を与えてやるほうが賢明。

・ わびるということはもっとも元手のかからない、かつもっとも収益率の高い投資。

・ 自分の話しを聞いてもらったという感じを相手方に抱かせることが一番安上がりの譲歩。不明確な点があったらその考えを繰り返し述べてもらうようにすることが大切。相手の話しを聞いている間にそれに対して自分はどう答えるべきか、などと考えるようなことはせず相手の立場にたって物をみたらどう見えるかを理解するように努力すること。

・ 交渉相手を共同の判決意見をだすために協議している同僚の裁判官だと考えるべき。

・ あなたは人種差別主義者だというよりは、私どもは差別待遇を受けている感じがしますといったほうがいい。

・ 重要な発言をする前に相手に何を伝え、相手から何を引き出そうとしているかと自問し、その発言がそうした目的に役立つかどうか考えよ。

・ 友好関係を作り上げるのは交渉の始まる前がよい。
2. 利害:立場ではなく利害に焦点を合わせよ。

・ 交渉における基本的問題は表面にでた立場の衝突にあるのではなく、根底にある各当事者の要望、欲求、関心および懸念の衝突にある。表向きの立場は当人が達した結論であり、利害とはその結論を導き出した原因である。

・ 対立する立場の背後には衝突する利害よりももっと多くの共通の利害が存在している。共通の利害を明確にし、それを共通の目的として設定することが望ましい。

・ 利用できる利害の相違点としては、「信念の相違」「時間に対する価値の置き方の相違」「予想の相違」「リスクに対する見解の相違」。

・ なぜ相手はそう主張するのかを問う。「双方とも両者の関係を継続することに関心をもっているだろうか?」「協力したり互いの利益を図って行く上で将来どのような機会があるだろうか?」「もし交渉が決裂したらどんな損益があるだろうか」「公正価格などといった双方が尊重できる基準があるだろうか」など。相手の主張も一理あると考える。

・ 自分が誰の判断に影響を与えたいのかとまず自問する。次に相手側が自分の要求内容をどうとらえているかを把握する。さらに相手が自分の要求に賛成した場合と反対した場合のそれぞれの結果を分析する。双方とも複数の利害が存在するものである。

・ 最大の関心は人間の基本的なニーズにある。安全、経済的福利、帰属意識、認められること、自分の生き方を自分で決定すること。とかく金銭だけだと勘違いしやすい。

・ 相手に当方の利害を考慮してもらいたければ、まずそれらの利害が何であるか相手に具体的に説明すること。そのさいは強硬であってもよい。「間違えていたら訂正してください」というのは当方の率直さを表し、もし訂正がなければ当方の状況説明を相手が受け入れたことを意味する。しかし人を非難せずに問題を攻撃すること。

・ 自分の関心と根拠を最初に述べて結論や提案はあとにすべき。

・ 柔軟性を保つためには自分の考えた選択肢の一つ一つを単に案として扱うこと、そして自分の希望にかなう案を多数用意すること。

3.選択肢:行動について決定する前に多くの可能性を考え出せ。

・ 新しいアイデアの欠点を探そうと待っている批判的態度ほど考え出すという作業を阻害するものはない。創造的行為と批判的行為を分離すべき。ブレインストーミングの場を活用すべき(批判しない。発言をオフレコとする。)。

・ 最初から唯一の最良の回答を得ようとすると、数多くの可能性から選び出すという賢明な決定過程を壊してしまう。

・ 多くの人は正当性を重視する。相手が受け入れ易い解決を図る効果的な方法はそれらが正当に見えるように体制を整えることである。公正で合法的な誠実であれば一層受け入れ易く感じる。

・ 先例ほど決定を用意にするものは少ない。

4.基準:結果はあくまで客観的基準によるべきことを強調せよ。

・ 意志とは無関係な客観的基準にもとづき結果をだす。

・ 合理的な意見には耳を傾け、脅しや圧力は無視する。

・ 提案された基準が真に公正で各自の私意から独立したものであるかを知るためには相互適用の原則に照らし合わせる。