ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

RFM分析

RFM分析とは

顧客の購買行動・購買履歴から、優良顧客のセグメンテーションなどを行う顧客分析手法の1つ。

顧客1人1人に関して次の3つの観点から指標化する。

* R(recency:最新購買日) いつ買ったか、最近購入しているか
* F(frequency:累計購買回数) どのくらいの頻度で買っているか
* M(monetary:累計購買金額) いくら使っているか

 この各指標の数値に重み付けした上で合算してランキングを作成すると、その上位の顧客は“最近、何度も、たくさん買ってくれている顧客”、すなわち優良顧客と判断するということになる。各指標の重要性や意味合いは、業種や業態、取扱商品によって異なるため、指標数値へのウエートの付け方自体が企業ノウハウとなる。場合よっては3指標すべてではなく2つの組み合わせ、あるいはM指標のみを利用することもある。

R/F/Mのそれぞれの項目を独立にランク分けし(5〜7段階のことが多い)、R×F×Mのマトリクスを作る(例えば5段階であれば、 5×5×5=125の“セル”に分割されたマトリクスが想定される)。このマトリクスのどのセルに属しているかによって、顧客をセグメントするというのが基本的な考え方となる。

 R/F/Mのすべての項目で高いスコアを持つグループは企業にとって価値の高い顧客層で、逆に3つの数値が低いグループは販売促進活動を行っても見込みがない顧客層と判断される。


RFMの持つ意味
■Recency(リセンシー):最新購買日  リピート確率
購入してから時間が経過していないということは、企業や商品についての記憶がしっかりと残っているということで、企業が営業的なアプローチを行う場合、既に記憶に残っていないお客様に対して行うより高い効果が期待できるのです。
もちろん、リセンシーだけでも、各月の購買お客様数実数を知ることなど様々な情報を得ることが出来ます。
 ・ Rが今日の日付に近いお客様ほど再購入する傾向が高い。
 ・ Mが高くてもRが過去になればなるほどそのお客様の再購入する傾向が低くなる。
 ・ Fが多くてもRが過去になればなるほどそのお客様の再購入する傾向は低くなる。

■Frequency(フリークエンシー):購買頻度  お客様の親密度
Fが低いお客様が多い場合は、お客様に満足を与えていない可能性があります。
一方、Fが高いお客様は多い場合は、常連客が多いということです。
そのわりにFの低いお客様が少ない場合は、新規のお客様が少ないことになりますので、新規お客様獲得に向けた企画が必要になってくるのです。
 ・ Rが同じならFが多いほどお客様の再購入する傾向が高い。
 ・ Rが過去になればなるほどFが多くても再購入する傾向は小さくなる。
 ・ Mが高くてもFが少ないほど再購入する傾向は少なくなる。

■Monetary(マネタリー):購買金額  お客様ロイヤリティー
Mのランクが高いということは、潜在的な購買力が高いということですから、そうしたお客様が多いことはお店や企業にとっては喜ばしいことです。
そうしたお客様のFやRが上がれば収益に貢献することは間違いないからです。
 ・ Mが多い少ないによって再購入する傾向は判断できない。
 ・ 再購入するかどうかの判断はまずR、つぎにFで判断できる。
 ・ Mが高い場合、そのお客様は購買力があると判断できる。

R:最新購入日の重要性
上記のことは、Rのランクが高いほど購入額の大きいお客様が属しているということを表しています。つまり、お客様のRのランクは、収益の面からも非常に重要になります。
一般的には、以下のようなことが言われています。

1. Rのランクが高いほど将来の企業収益に貢献してくれる可能性が高い
2. Rのランクが低ければFやMのランクが高くても他社に奪われている可能性が高い
3. Rのランクが同じならFのランクが高いほど常連客
4. Rのランクが同じならFやMのランクが高いほど購買力があるお客様
5. RやFのランクが高くてもMが少ないお客様は購買力が低い
6. Fのランクが低くMが高いお客様はRの高いほうが良いお客様
7. Fのランクが上がらないか下がっているお客様は他社に奪われている可能性が高い
8. RFM全てが低いお客様は切り捨ても検討

RFM分析で最も重要なのはRであり、FやMが高くても最近購買実績がないお客様は既に競合他店に奪われてしまっている可能性が高いと考えられます。
つまり、Rの動きが各お客様の動向を把握する上で非常に重要であり、Rのランクが下がり始めた段階で、営業的なアプローチを行えば他店に奪われなくて済むかもしれないのです。

Rのランクが下がりはじめたお客様には、また購入してもらうための企画が必要となりますし、Fが伸びないお客様も同様です。
Mのランクが低いお客様は、Fを注目する必要があり、Fが高いランクの場合は潜在的に購買力が低いと考えられますので、将来的な企業収益貢献度は低いと考えられますが、Fのランクが低くMのランクが高いお客様は購買力が高い可能性がありますので、購買頻度を高める企画を実施すればいいことになるのです。

お客様とのコミュニケーション RFクロス集計
どんな基準で分類したとしても、555の顧客が良いお客様であることは説明の余地はありません。
また、111の顧客も良いお客様でないことは分かると思います。しかし、432のお客様と324のお客様はどうなのといわれるとよく分かりません。

まずは、RとFです。Rは来店(再購入)可能性、Fはお客様との親密度をそれぞれ表しています。
よって、RFはお客様の定着の度合いを示すことになります。

コミュニケーション事例
それぞれのグループ対して1to1マーケティングを行うことで、お客様をFSFSグループに近づける必要があります。



お客様への特典バリュー RMクロス集計
割引や還元など、お客様へ提供する特典も、全て同じというわけには行きません。
特典バリューを考えるときの指標として、RMクロス集計を使うことができます。


■RFM分析で関係が切断される危険性
言い換えれば関係切断の対象を見つけるための分析手法であるから、いまでも見事に顧客と関係を切断することをやってのけている。

 RFM分析でもABC分析でも、いずれも過去特定日における状況をタイムスライスして見せているに過ぎない。優良顧客はセルに付けた名前で個客に付けた名前ではないから、セルから外れれば優良顧客扱いしないようになる。その顧客が何と当社にとって最重要な顧客であっても関係切断をすることになる。これで顧客育成ができるはずがない。こうしたタイムスライスデータで顧客を識別するのは、間違っていることに気づかなければいけない。

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 ある高級店で極めて優良顧客がいた。しかしこの顧客は海外に転居し数年間利用が絶えた。海外の住所にDMを送っていたがやがてRFM値が下がりDMも年賀状も送らなくなった。

 この顧客は日本に戻ってひさしぶりに来店した。しかしお店のデータではRFM分析でもでてこない、つまり顧客でもなんでもない人となっていた。古いデータを見ると離脱客、切り捨て客となっていた。果たしてお店はデータのみで対処するだろうか。するはずがない。海外に暮らして年賀状や暑中見舞い、時には日本の菓子など顧客のお好みを贈答していただろうし、関係を促進していたはずである。
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 データだけで顧客を識別するのは間違いであるという事例である。