エントロピーとは?
エントロピー(entropy)は、ドイツの理論物理学者・クラウジウスが1865年に熱力学で導入でした概念で、「エネルギー」の en と「変化」(英語では、transformation)を意味するギリシア語 tropy の合成語でクラウジウスによって命名されました。今日、エントロピーの概念は、熱力学や物理学の分野に留まらず、情報理論や経済学、社会科学など、広い分野で応用されています。
エントロピーは、『無秩序な状態の度合い』を数値で表すもので、無秩序な状態ほどエントロピーは高く(数値が大きく)、整然として秩序の保たれている状態ほどエントロピーは低い(数値が小さい)のです。
エントロピー増大の法則
エントロピーという言葉を使って表現すれば、すべての事物は、「それを自然のままにほっておくと、そのエントロピーは常に増大し続け、外から故意に仕事を加えてやらない限り、そのエントロピーを減らことはできない」ということになります。これが、いわゆる『エントロピー増大の法則』です。
ドラッカーは、人の手になるあらゆるものが、このエントロピーの法則を逃れえないという。製品とサービス、プロセスとチャネル、制度と政策のすべてが、出来上がった瞬間に陳腐化を始める。
しかも、デカルト以降のモダン(近代合理主義)が暗黙の了解とした必然の進歩など、どこにも存在しないことが明らかになった。
したがって、経済にかかわるエントロピーの法則に打ち勝つことこそが企業の役割となる。それがイノベーションである。
「いかなる経済といえども、放置しておくならば、資本の生産性は確実に逓減に向かっていく。これを防ぐ唯一の方法、すなわち不毛の硬直化を防ぐ唯一の方法が、企業家精神による資本の生産性の不断の向上である」