ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

人生の理想は「自己実現」である 東大名誉教授 竹内 均

私の考えでは、人生の理想は「自己実現」にある。自己実現とは、①好きなことをやり、②それで食うことができ、③しかもそれが他人によって高く評価されることである。だいぶへそまがりな人でも、これが人生の理想であることだけは認めてくれる。

 自己実現をするための「自分の好きなこと」が見つかったとして、それから後は、①勤勉 ②正直 ③感謝を実行すればよい。したがって自己実現をしようとするものはまず勤勉に働かなければならない。勤勉のポイントは、「やれることからやる」ことである。当たり前のことではあるが、これが大変重要なことである。

 自己実現のための「自分の好きなこと」を「大きい夢」と呼ぶとすれば、今すぐ「小さい一歩」を踏み出すことが重要である。ちょっと考えると、「大きい夢」と「小さい一歩」との間には無限の隔たりがあるように思われ、絶望的な感じになることもある。しかし、そうではない。「小さい一歩」をうまずたゆまず続けると、最初考えたよりはずっと早く「大きい夢」が実現してしまうものである。

 また「正直」は、「約束したことを必ず実行し、実行できそうもないことを約束しない」ことであり「感謝」は「勤勉・正直を実行していささかの成功をおさめた場合には、それを他人のおかげとし、失敗した場合にはそれを自分のせいにする」ことである。

 このうちの「感謝」は特に実行しにくい。そんなことをしていたのでは、自分の手柄が全部他人に奪われてしまうように思われるからである。しかし決してそうではない。長い目で見ると必ず、ここで述べたような意味の「感謝」を実行した人が自己実現をする。勤勉・正直・感謝を実行すれば必ず自己実現ができる。これは物理学における「運動の法則」と同じくらい確実な因果律である。若い諸君がこの法則を自分のものにして、これからの日本を自由と繁栄のある国にしてくれることを期待する。