ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

トーン&マナーとは何か

トーン&マナーとは何か

トーン&マナーは、もともと広告の世界で使われてきた言葉で、広告物から醸し出される雰囲気や調子(表現基調)のことを指します。
文章のトーン&マナーもほぼ同じ考え方ですが、ケイズワークでは「文章の論調と言葉の扱い方に関するルール」という意味で使っています。
このルールをほんの少し時間を割いて社内で共有しておけば、異なる部門で分散してコンテンツの開発や更新を進めても、一貫性が確保された読みやすい文章を作成することが可能となります。


自社に相応しいトーン&マナーを考える基準

その会社に相応しいトーン&マナーづくりは、「誰にどんな印象を与えたいか」を定義することからスタートします。あまり難しく考える必要はありません。「お客様から相談しやすい会社だと思われたい」「学生に風通しのよい企業だと思われたい」「個人投資家にチャレンジングな組織だと思われたい」など、欲望ベース(〜したい)で書き出してみると、意外とスムーズに言語化できるものです。
コアターゲットと訴求したいイメージがある程度明確になったら、そこから自社に相応しいトーンとマナーを抽出していきます。以下に2つのトーン&マナー定義例をご紹介します。

〔ケース1〕
お客様から、どんな小さな困りごとにでも気軽に相談に乗ってくれるフレンドリーな会社に見られたい・・・
トーン→温かさ・親しみが感じられる論調。目の前に座っている一人のお客様に話すように問いかけ、語りかける。「です・ます」が基本文体。
マナー→耳慣れない英語や専門用語の使用は控える/難しい漢字はできるだけひらく(ひらがな表記にする)/自社を表す言葉は「弊社」、顧客を表す言葉は「お客さま」

〔ケース2〕
お客様から、豊かな知識と高いスキルを持つプロフェッショナル集団に見られたい・・・
トーン→冷静で論理的な論調。できるだけ客観的な情報をベースに、多数の聴衆にプレゼンテーションするように解説する。
マナー→正確な理解形成に有効な場合は、専門用語・英語も使用可/自社を表す言葉は「社名そのまま」または「当社」


トーン&マナーを構成する要素

最後に、文章のトーン&マナーを構成する要素をご紹介しておきます。社内のルールづくりの参考にしてみてください。

■文体について
語尾:「です・ます」or「だ・である」
尊敬語・謙譲語・丁寧語の適用レベル:「尊敬語・謙譲語・丁寧語すべてを使用する」or「尊敬語・謙譲語は使用、丁寧語は、です・ますは使用、おります・ございますなどは使用しない」
表現の硬軟:「話し言葉に近い」or「書き言葉に近い」

■表記(用字・用語)について
自社を表す言葉(1):例)「ケイズワーク」or「K's work」or「KSW」
自社を表す言葉(2):「弊社」or「当社」or「小社」or「わが社」
自社を表す言葉(3):「私たち」or「我々」or「私ども」
顧客を表す言葉:「お客様」or「お客さま」or「お得意様」or「お取引先」or「顧客」or「カスタマー」
法人名:「原則、すべて正式表記」or「原則、初出のみ正式表記+以後省略形(株式会社ナシ)」
外来語(カタカナ語)の扱い:「外来語はすべてカタカナ表記し、日本語への置き換えは行わない」or「一般化した言葉+業界で使用されている外来語はカタカナ表記し、それ以外は日本語に置き換える」o「一般化した外来語のみカタカナ表記し、それ以外は日本語で表現する」
英語の表記:「本文中には使用しない(カタカナ表記とする)」or「本文中でも使用を認める」
英語の略称:「使用しない」or「一般的に浸透したもの限り使用可」or「使用を認める」
数字の扱い:「1つ、2つ」「第1に、第2に」or「一つ、二つ」「第一に、第二に」or「ひとつ、ふたつ」
強調の表記:本文中で強調したい場合に使う符号「 」or" "or< >
ナカテン(・)の扱い:「単語の列記にのみ使用」例)○=商品の開発・生産・販売、×=プロフェッショナル・サービス・ファーム など