RBV(リソース・ベースト・ビュー) Resource-Based View
企業内部の経営資源に競争優位の源泉を求めるアプローチ。フレームワークとして、VRIOがある。
RBVとは、企業内部の経営資源に注目して経営戦略を立案していく考え方です。
業界構造という外部環境と、競争ポジショニングが利益の源泉であるとしたポーターの戦略論(5Forces、バリューチェーンなど)と比較すると対極的な理論であるといえます。
≪企業の内部的なリソースに着目≫
RBVは、1984年にB・ワーナーフェルトによって提唱された概念ですが、注目されるようになったのは、1991年のバーニーの研究がきっかけです。
RBVは、企業の外部環境や業界内でのポジショニングに基づく戦略論とは異なるアプローチを取っています。RBVでは、あくまで、企業内部の経営資源に競争優位の源泉を求めています。
ここでいう企業内部の経営資源とは、生産設備や不動産等の有形資産、ブランドネームや特許等の無形資産、顧客対応力等の組織ケイパビリティ(能力)を指しています。
≪VRIOフレームワーク≫
VRIOフレームワークとは、リソース・ベースト・ビューの代表的なフレームワークです。VRIO
とは、企業の内在価値を探る4つ要素のことで、VRIOフレームワークは、それぞれ問いかけの形で構成されています。(VRIOはヴリオと読みます。)
■V:経済価値(Value)に関する問い
その企業の保有する経営資源やケイパビリティ(企業が有する組織としての能力)は、その企業が外部環境における脅威を無力化することができるか?あるいは機会を捉えることができるか?
■R:希少性(Rarity)に関する問い
その経営資源を現在コントロールしているのは、ごく少数の競合企業か?
■I:模倣困難性(Inimitability)に関する問い
その経営資源を保有していない企業は、その経営資源を獲得あるいは開発する際にコスト上の不利に直面するか?
■O:組織(Organization)に関する問い
企業が保有する、価値があり、稀少性があり、模倣コストが大きい経営資源を活用するために、組織的な方針や手続きが整っているか?
VRIOフレームワークでは、継続的競争優位を保つためには4つの要因が全て揃うことが必要としています。
バーニーの考え方としては、これら4つは独立した評価項目ではなく、フローチャートの分岐点です。NOが入るとそこで終わりになり、競争優位の意味合いが示されます。