ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

勝てる組織文化

組織文化が常に素晴らしい結果をもたらすわけではない。事実、2012年にベイン・アンド・カンパニーが大規模なグローバル企業の上級幹部400名超にアンケートを取ったところ、自社の業績に文化が大きく貢献していると感じていたのは4人に1人以下だった。大多数は、文化と高業績とはまず関係がないと考えていたのである。

 なぜ関係がないのだろうか。我々が見たところ、組織文化を「従業員に自社を好ましく感じさせる方法」としか捉えていない会社が多すぎる。従業員――ひいては企業全体――の業績を高めるためのとは思いもよらない。しかし、業績のよい会社はそうではない。彼らは「勝てる組織文化」が人々の結束に影響するだけでなく、見事なほど業績に影響すると知っているのである。

 我々の研究によると、勝利に結びつく文化は、相互に強化し合う2つの要素から成り立っている。第一に、高業績企業はいずれも独自のアイデンティティを持っている――つまり、他の企業と異なる際立った特徴がある。ゆえに従業員は、その会社に所属しているというだけで意義を感じる。また、会社が行うことに関して情熱が生まれる。

ただし、企業文化とは独自のアイデンティティにとどまらない。卓越した業績を上げている企業は全般に、戦略に合致し、望ましい従業員の行動を強化するような特性をいくつか備えていた。我々の研究では次の7つの特性が見つかった。

1. 誠実さ
 従業員や顧客、サプライヤーを含むあらゆるステークホルダーと、誠実に関わり合う。

2. 業績の重視
 報酬や育成などの人材マネジメントの手法が、業績の推進に結びつくようになっている。

3. 説明責任と当事者意識
 役割や責任、権限が、仕事や結果に対する当事者意識を強化している。

4. コラボレーション
 最高のアイデアは、個人間やチーム間で意見が交換され共有されることから生まれる、と認識されている。

5. 機敏さと順応性
 必要な時には素早く方向転換ができ、外部環境の変化に適応することができる。

6. 革新性
 従業員は既成の枠組みを超えて、新たな考え方をする。

7. 勝利への集中
 大いなる野心が共有されている。成功の指標は客観的なものであり、競合との比較に基づくか、卓越性の絶対的基準に挑戦するものである。

 以上7つの特性をすべて備えることは困難だが、高業績企業はたいてい3つか4つの特性を持ち、それらが成功に不可欠となっている。

組織文化は業績の向上に不可欠な役割を果たす。勝利に結びつく文化は、業績を明確な成果として扱う。そして従業員にとってだけでなく、顧客やサプライヤー、もちろん株主にとっても最高の結果につながる環境を生むのである。