ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

パラジウム価格

2026年まで下落か

2020年のパラジウム生産量はロシアが82トンと、世界の43%を占めた。 英精錬大手ジョンソン・マッセイ(JM)によると、パラジウムの用途は8割超が自動車の排ガス触媒向けとされる。 それ以外に、携帯電話のコンデンサ、歯科用合金や半導体用めっき等にも使われる。

パラジウムの代わりにプラチナを自動車触媒に使った代替需要は、2023年は19.3トンと推定されているが、2024年には21.8トンに達する。
プラチナからパラジウムへの代替には経済的な利点がない上にリスクも伴い、たとえ起こるとしても、それが広がるスピードは遅い。従って中期的な視点から見たプラチナの代替需要は、今の自動車需要の中にほぼ組み込まれていると考えて良いだろう。

触媒の代替はほとんど全てが新型車で実施されるが、新型車はどの年でもマーケットの約15%。代替需要がプラチナの年間需要に反映されるまでには時間がかかる。一度触媒の代替が行われると、通常はほぼ7年間となるその車種のライフサイクルの中で再び変更されることはない。代替作業にはコストがかかり、既に生産ライン上の仕様の変更にはリスクを伴うからで、これが代替の逆行が起こるにしても、その影響が現れるのはまだ先。
2025年からはパラジウム市場は供給過剰になると予測されているが、パラジウム価格はまだプラチナ価格を上回っているため、パラジウムに代える経済的な根拠は弱い。
予想通りパラジウム市場が2025年から供給過剰になれば、2026年から少しずつパラジウムによる代替が始まるだろう。