ごろにゃ~の手帳(備忘録)

備忘録的ブログ。経営やマネジメント、IT、資産運用、健康管理などについて書き留めてます。

SCPモデル

SCPモデルとは、企業の収益性は産業構造に依存しているという考え方。

産業構造が事業体にとって魅力的であれば、事業活動次第で高い収益性を上げることができるが、逆に産業構造が魅力的でない場合には事業活動でどれだけ努力してもそれなりの収益性しか達成できないとするもの。

産業構造(Structure)が事業活動(Conduct)を規制し、それが引いては業績(Performance)を規定するとの流れから、SCPモデルと呼ばれる。

このモデルによれば、経営上最も重要な経営戦略は、魅力的な産業構造の産業を見出し、そこへ投資・算入するということになる。


ポーターが現カナダ・トロント大学のアニータ・マクガハン教授と97年にSMJ誌に発表した論文では、さらに包括的なデータベースから85年から91年の米企業データを取り出し、観測数約5万8000の大規模サンプルで測定しました。

 そしてこの分析により企業利益率のバラツキの約50%を説明できること、その内訳は産業効果が4割ぐらいで、企業固有の効果は6割ぐらいに留まる、という結果を得たのです。2人が2002年に「マネジメント・サイエンス」に発表した論文でも、同じような結果を得ています。

 興味深いのは、このポーターの結果は、まさに彼の生み出した経営理論にぴったりあてはまるものだったことです。

 ポーターが中心となって80年代に確立したSCP理論(Structure Conduct Performance Model)では、「企業の競争優位には二重のポジショニングが重要である」とされます。第1に「収益性の高い産業を選ぶべき」というポジショニングであり、第2に「その産業内で、自社が他社と比べてユニークなポジショニング(競争戦略)をとるべき」というものです。

 SCP理論はこのように「産業も、戦略も重要」と主張しているわけで、まさにポーターが自ら得た「産業効果が4割、企業効果が6割」という測定結果と整合的です。みなさんも、この結果には肌感覚として納得できるかもしれません。